Tokyo Olympia
日本人写真家、ホンマタカシの作品集。本書は、作者の代表的とも言える作品『東京郊外 TOKYO SUBURBIA』(1998年光琳社刊)の続編であり、再解釈である。作者は、2020年東京オリンピックへと向けて準備する中刻々と変化する都市の景色と、決して変わることのない街並みを6年間以上にわたり撮影した。本書に収められているのは、東京というメガロポリスの絶対的なスケールを捉えたイメージ群である。それは、旧国立競技場が新国立競技場へと変貌を遂げていく様や、豊洲市場へと移転される直前の築地市場、東京湾岸の絶え間なく変化するビル群や広大な空き地の姿である。
作者は国際的に最も知られる日本人写真家の一人であり、現代の写真界の第一線で活躍を続けている。一切の感傷を排した無類の冷静さを持つ視線、特有の距離感と色調をもって被写体を捉えるその写真は、写真界だけでなく、現代美術の分野においても称賛されている。1980年代後半から広告とファッション業界でそのキャリアをスタートした作者は1990年代初期にロンドンに移住し、伝説的なカルチャー・マガジン『i-D』などの仕事を任され、様々な手法で独自の作品を生み出す写真家たちを知るようになる。帰国後、1990年代を代表する写真家として、雑誌の仕事を礎としつつ、東京近郊の風景や人々を捉えた写真作品を『東京郊外 TOKYO SUBURBIA』として出版、1999年に同作で木村伊兵衛写真賞を受賞。以来、その革新的な作品を国内外で発表し続け、後に続く世代の写真家たちを魅了し続けている。
― ディストリビューター説明文より
- 判型
- 288 × 215 mm
- 頁数
- 100頁
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 2023