戦慄の成田空港
【ドキュメント三里塚12年の記録】
緑につつまれた平和な農村であった。幾十年かかって肥沃な土地に開拓した田園は、一片の閣議決定のみで以来12年「国家的要請」と土地を守る人々との間に爆裂な斗いが展開されて来たのである。
三里塚闘争は現代社会の断層を浮ぼりにした現実である。土地を守ろうと死を賭けて斗う人々の姿、その時々の葛藤が生々しく綴じられた歴史の事実を物語る貴重な記録写真である。
【各紙の書評より】
◎この十余年間の成田闘争を農民たちの姿を中心に克明に追った、一点一点が見るものの心に「農民にとって土地とは」「そして成田闘争とは」などと無言の呼びかけを続けている。(読売新聞より)
◎浜口さんは写真集「記録と瞬間」「大学闘争」「市電の詩」をはじめ、個展、カメラ雑誌などで精力的な作品発表をしている報道写真界の中堅作家。
「国家的要請」をかかげた突然の閣議決定が平和な農村を流血と憎悪の渦に巻き込んだ三里塚の歴史を、耕地を守ることに命がけで闘う人々の様々な表情をとらえている。(朝日新聞より)
◎緑に包まれた平和な農村が憎悪と流血の場と化すまでの十余年間数十回にわたって現場をふみ一万五千枚の中から百数十枚が収められら迫力あるショットの中であくまでも土に生きるようとする農民達の表情が印象的だ(神奈川新聞より)
- 判型
- 262 × 192 mm
- 頁数
- 147頁
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 1978