窓:SOU
写真家・滝口浩史の妻と妻の家族との数年間の人生をおさめた『窓:SOU』。義母の突然の病死から、義父の長期入院、そして妻の出産があり、新しい生を授かった喜びを見届けるように妻の家族の一員であった愛猫の死と、さらにそれに続くかのように義父もまた他界した。滝口はこの数年間撮り続けてきた妻の家族の写真と残された妻の父と母の古い写真を見た時、それらの写真が一本に結ばれているように感じたという。また、妻から母親がまさに亡くなる瞬間、虚空を見つめ、何かを追いかけるかのように窓の外へ視線を移動して、息をひきとったことを聞いている。
滝口にとって「窓」は、部屋の内から外へ、こちら側と向こう側を隔てている薄く壊れやすい象徴であり、生と死の境界の様に感じている。読みを「SOU」としたのは、「SOU」をさまざま漢字に置き換えてみると、「相」や「想」、「喪」「葬」「添う」など多くの意味を持った言葉ができ、そういった意味を同時に含んでいるように感じたことによっている。
― ニコンサロンでの同名展覧会(2008年)情報より参照
巻末にはDan Abbeによる滝口のインタビューが収録されている。
- 判型
- 330 × 230 mm
- 頁数
- 120頁
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2014
- 言語
- 英語
- エディション
- 300