新宿迷子
「新宿駅東口から歌舞伎町の方に吸い込まれるように歩いて行くと、もう胸がドキドキしてくる。人間の欲望が見え隠れする街が歌舞伎町である。その景色が好きで好きでたまらない。キラキラ光っているネオンの下に、ダンボールを敷いてあおむけに寝ると、これがまた、気持ちいい。なんだか社会という歯車から外れたようで違った角度から自分のこととか色々なことを考えられる。悩んだ時はダンボールが最高だ。」
― 梁丞佑「新宿迷子」
小銭を咥えたカラスが飛ぶ街は、誰かにとって必要な居場所でもあります。
1998年から2006年にかけて撮影されているこの写真は、人々と街の鮮明で活発なエネルギーが閉じ込められており、見る側は自ずとフレームの外側や前後の時間を感じ、様々な想像を掻き立てられます。 2004年から都知事の方針により開始した「歌舞伎町浄化作戦」により安全で誰もが楽しめる街へと変化した歌舞伎町に、今もなお変わらず確かに存在するものは何でしょうか。
― 出版社説明文より
「ナマの男とナマの女。ナマの性と暴力。ひたすら遊び廻る子供たちがいる。それらを撮ったナマの写真。梁丞佑の目は彼らの中のやさしさと弱さをも見つめている。彼は撮ろうと思うその人物のハートに向かって飛んでいく鉄砲玉みたいな写真家だ。」
― 北井一夫
- 判型
- 297 x 210 mm
- 頁数
- 148頁
- 製本
- ソフトカバー
- 発行日
- 2016 (1st), 2017 (2nd), 2018 (3rd), 2020 (4th), 2022 (5th)
- 言語
- 英語、日本語
- ISBN
- 978-4-905453-41-3