Mother River Homing
『shadow puppet』、『bystander』、『on the way home』の3部作シリーズをまとめた写真集。
写真というのは(ひぇー!なんということを言っているんだ自分は!?)本当に不思議なものだと思う。私は、写真に写っているものは全て嘘っぱちだから信じないようにしているけれど、被写体とカメラマン(ないしはカメラを設置した者)との「事実」だけは、確かに存在すると信じている。「事実」は、身体にとても近い針や絵筆による親密さとは違い、どんなに抱き合っても1つにはなれない身体と身体のような、突き飛ばされたような、孤独や孤高と似ている。その「事実」とはなんだろう。フィルムが現像され、プリントされたときや、デジタルデータにもある。カメラ、そして時間や工程、時には他者を介さねばならない過程に理由がある気がする。そして、それらを重ねるほど「事実」は強くなる。「わたしたちはたしかにいた」と感じる。だから私は友達を撮り、写真作品やオブジェの素材として『bystander』へ登場させたのだと思う。
― 片山真里(本書あとがきより)
- 判型
- 238 × 178 mm
- 頁数
- 112頁
- 製本
- ハードカバー、ケース
- 発行年
- 2021
- 言語
- 英語、日本語
- エディション
- 900