From Craft to Art
Robert Doisneau(ロベール=ドアノー)は人文学的写真におけるもっとも重要な人物のひとり。長年のあいだ、チャーミングな目と予想できない視覚的な逸話におけるユニークなセンスを持ちあわせる人目に立つパリの吟遊詩人として傍観し続けてきた。結果として、彼は「ピュアな」瞬間における詩人としてそれを擁護していった。Doisneauの作品群はその世評が示唆するよりもっと深く複雑だ。
彼の作品を総体的に熟考していると、あるひとはDoisneauが日常のなかにある宝物を掴みとるためのことばをつくり出すことの喜びを見出す。感受性や自然主義に対するアプローチがゆっくりと明らかになる。彼の捉える、例えばパリ郊外の質素な建築物のイメージといったものは、まじめさや皮肉、また無情の程度さえもあらわしている。
Cartier-Bresson(カルティエ=ブレッソン)財団は、Deisneauの遺産から100枚にものぼるオリジナルプリントの展覧会を企画した。本書[From Craft to Art]はこの展覧会のカタログであり、これらの貴重な作品とあわせて1983年初版のJean-François Chevrier(ジャン=フランソワ=シュブリエ)のエッセイの新バージョンを収録。Doisneauの「民衆から個人が分たれた輝かしきメランコリー」を捉えた類稀な才能を探索する。
パリ・Henri Cartier-Bresson財団との共同出版。
- 判型
- 240 x 170 mm
- 頁数
- 224頁
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 2010
- 言語
- 英語