Contemporary Suburbium
アメリカ人プロスケーターでありアーティスト、フォトグラファーのエド・テンプルトン(Ed Templeton)と、同じくアメリカ人フォトグラファーのディアナ・テンプルトン(Deanna Templeton)夫妻の作品集。カリフォルニア州オレンジ郡の郊外、とりわけロサンゼルスを南下した突端にある海辺の町ハンティントンビーチでの暮らしを写した両者の黙想的な記録。かつてオレンジの木々や石油掘削地、富裕層の別荘が点在していたこの場所は、今や観光客に人気のビーチとなり、古いコテージの数々は背の高い3階建てのモダンな家に立て替えられてしまった。本書は、代々保守的なこの地域の人々や不満を抱いている若者たち、恵まれて(かつあまり恵まれずに)育った面々が、フェンス、壁、そして果てなく続くトラクトハウジング(※註)地区の向こう側から敢えて外へ出て行く様子を捉えている。同じ場所で大人になっていく過程を描いた2つの相反する短編小説を読むように、本書は、砂埃まみれで日焼けした今なお情熱的な南カルフォルニアの情景と、経済成長期であった21世紀初頭の現地を伝える。両作者はそれぞれの写真と言葉を蛇腹折りの製本を存分に生かし、片側にエド、もう片面にはディアナの作品をそれぞれレイアウト。NAZRAELI PRESSから刊行した作品集として、本書はエド・テンプルトンにとって2冊目、ディアナ・テンプルトンにおいては初めてとなる一冊。プラスチックのスリップケース入り。
― ディストリビューター説明文より
- 判型
- 203 x 152 mm
- 頁数
- 56頁
- 製本
- ハードカバー、スリップケース入り
- 発行年
- 2017
- 言語
- 英語
- エディション
- 2000