鎮魂の地図 沖縄戦・一家全滅の屋敷跡を訪ねて
生き残った者はイクサで体に心に大きな傷を負い、暮らしてきた。集落の中にぽつりぽつりとある空っぽの屋敷は鉄の暴風と呼ばれたあのイクサが根こそぎ奪った。その慎ましすぎる空間にただ香炉だけが置かれた無言の屋敷跡。一家全滅の屋敷は静かに、だが激しい思いを鎮めいまに伝える。
― 大城弘明(本書あとがきより)
日本で唯一の地上戦の戦場となった沖縄戦の悲惨な記憶の一側面を記録としてとどめるべく、沖縄報道写真界の実力者が一貫して撮りつづけてきた糸満市の「チネードーリ」(一家全滅)の屋敷跡の写真を一冊にまとめる。
沖縄写真家シリーズ〈琉球烈像〉の一冊で沖縄タイムス芸術選賞奨励賞を受賞した前作『地図にない村』につづく第二作。
「この写真はまさにまぎれもない、カメラで書かれた哀しみの地図であり、鎮魂と喪の地図である。」― 仲里効
- 判型
- 148 × 210 mm
- 頁数
- 128頁、掲載作品98点
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2015
- 言語
- 日本語
- ISBN
- 978-4-624-71098-9