山水之間
山水(Shan Shui)は、いつの時代も中国の人々の心に響くものです。文人たちが自然の風景の中を旅する喜びを示し、「山は道徳を体現し」「水は美徳を包含する」という原則に基づいて内面的な強さを育み、錯覚としての距離を作り出す、これらの要素は中国の山と水を描く芸術において重要な役割を果たしています。
写真家という職業柄、中国を旅する機会があります。そして、現代の私たちにとっての山や水の意味を改めて考えさせられます。中国は急速な発展を遂げており、繁栄の喜びに浸っています。しかし、混乱と破壊は避けられません。その中では、私たちのような人間は、実は塵のように些細な存在です。だから私は、長年にわたって山や水を旅しながら、いまだに山や水に依存している人たちを探してきました。写真を撮るときは、自分を被写体に置き換えてみることにしました。自分が相手の立場になって、自分に代わった人がシャッターを押す。ほんの一瞬ではあるが、彼らの一員になったような感覚ほど、強烈で深いものはないと思っています。私は旅の途上で偶然に出会う美しさに惹かれてきましたが、これらのものはおそらく将来のある時点で消えてしまうのではないかと深く心配しています。
― チャン・ケチュン
- 判型
- 260 × 260 mm
- 頁数
- 84頁
- 製本
- ハードカバー、ケース
- 発行年
- 2021
- 言語
- 英語、中国語
- ISBN
- 978-9-887468-32-5