shashasha 写々者

『Alone Street』は、グレゴリー・クリュードソンの2つの主要作品である『Cathedral of the Pines』（Aperture刊、2016年）と『An Eclipse of Moths』（Aperture刊、2020年）を、1冊にまとめた写真集。両シリーズとも、工業化後のニューイングランドの小さな町の心理地理学に対する作家の執拗な探求を発展させ、クリュードソン独自の写真によるストーリーテリングのモードの正確さと深さを強調している。美術史家のアレクサンダー・ネメロフが「まるでクリュードソンの静かなメランコリーが、かつてその場所に立っていた遠い昔の人々の手に負えない悲しみや他のちょっとした感情を集めているかのようだ。」と鋭く指摘するように、これらの場所で起こったすべてのことがクリュードソンの写真の中に結晶化されているような印象を呼び起こす。

本書では、各シリーズの全画像に加え、舞台裏の画像や絵コンテを紹介し、各作品の制作に費やされた膨大な準備と企画を明らかにしている。

俳優のケイト・ブランシェットによるインタビューも収録。