ALL L/Right
今日も世界は、色んなことで渦巻いていて
ニュースは悲しい事件を流し続ける
暗鬱たる気分になることは、ひどく簡単だ。
何故わたしはこの世界にいるんだろう?
何故ひとは、生きようとするのだろうか?
生物の本能? そうかもしれない。でもそれだけで生きるには、人生は少し長過ぎる。
いつからか、そんな当たり前の普遍的な問いを
ぐるぐると自分に問いながら、旅に出るようになった。遠く、なるべく遠く。
言葉もわからない知らない土地で、街にまぎれ、出来るだけ自分を無の存在にする
そして虫が火に飛び入るように、ふらふらと惹かれ吸い込まれる時にシャッターを押した。
写っていたのは、この世界をつつむ光
そしてその下で生きる私たちの、儚い一瞬の愛すべき世界だった
今も世界のどこかは朝を迎え、太陽の光を浴びて一日が始まる。
どこかで今も、いとおしく、美しい瞬間が生まれてる。
私は、そんな光が作った一瞬の、愛すべき世界を宝物にして集めて行った。
どこに行っても、全く違う場所や、違う年でも、やっぱり愛すべき瞬間はあって、
色んな光の下、集まった宝物を見ると
ほら、大丈夫だよ、と思える気がした。
- 判型
- 274 × 225 mm
- 頁数
- 136ページ
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 2015