shashasha 写々者

韓国人アーティスト、アン・ジュンによる『Until You Left Off Dreaming About』は、AI画像生成ツールのMidjourneyを使用して作成された307点の画像で構成されている。本作品は、ジュンが2000年代初頭から10年以上ロサンゼルスに滞在していた際に、多くの人々とスモールトークを交わす中で思い描いた想像をプロンプトとして作成したもので、記憶と経験していない瞬間への想像を基に制作されている。彼女は、2023年夏の大手術後の回復期間中にこのプロジェクトを制作し、スマートフォンのない時代の人間交流、見知らぬ人との会話、そして経験していない瞬間へのノスタルジーをAI画像生成技術を通じて視覚化している。

「このシリーズは、2023年の夏に大きな手術を受けた後の療養中、自宅で過ごしながら思い浮かべたイメージをプロンプトにして、画象生成AIツールの一つであるMidjourneyで生成していった。手術は心臓の近くだったため、検査を受け、手術が決定されるまでの短い期間、私の運命はこんなふうに決まってしまったのかと感じた。そのせいか、寝る前になると、見知らぬ人の話を聞いて思い浮かべた行ったことのない場所の景色が頭に浮かぶことがあった。

飛行機と車を乗り継いで10時間もかかる場所に、自分と同じタトゥーをしているという誰かの家族の話。故郷には人気のない道路沿いにひっそりと佇むモーテルがあった。そこで働いていた誰かは、モーテルの1階にある小さな店とパブで、カウンターに座りながら、窓の外をぼんやりと眺めていた。時折通り過ぎる車を見送りながら、いつかこの町を出る日を夢見ていた。クリスマスに友達の家族と遊びに行ったニューヨークで初めて見たヤシの木で飾られたツリーではなく、雪の降る日のクリスマスツリーの話。金曜の夜のクラブの話。20代の私が、試験勉強やアルバイトを選ばずにキャンパスから出かけていたら、その頃の私はこんな写真を撮っていたのではないだろうか。だからこそ、これらの風景は私にとって実際には存在しないノスタルジアなのだ。」
― アン・ジュン（本書テキストからの抜粋）