shashasha 写々者

1978年天水生まれの中国人アーティスト、蔡東東。本書は、彼が中国北西部から北京に移り住むまでの20年間を記録したカラー写真で構成されている。

『Passing by Beijing』の写真は非常に普通なものでもあり、異質なものでもある。風景や街並み、ポートレート、自然に観察された静物などなどが写っている。通常、このようなさまざまな被写体の写真群から首尾一貫した意味のある編集を行うのは至難の業であるが、これを完璧に作家自身の手によって完成されている。蔡の観察眼と機知に富んだ今までの仕事ぶりからすれば、自分自身の写真に対する扱いの素晴らしさは驚くには値しないかもしれないが、まさにその実力がこの一冊に結実されている。

「この本に収めた写真は、2002年から2022年にかけて私が撮影したカラー写真のセレクションである。私は20年以上北京に住んでいるが、北京は私にとって常に見知らぬ街だった。」
― 蔡東東