遙かなる河
2013年冬生き急ぐ気持ちと焦りや苛立ちを心の何処かに詰め込んで1年の撮影がスタートした。幾つもの峠を越えては坂道を下り谷間の小さな集落に辿り着く。そんな出雲地方中国山地の移り往く季節を廻った。 いつも何処からか小鳥のさえづりや川のせせらぎが聴こえ感傷的な気持ちに浸りながら季節は過ぎた。追いかけていたのは美しい景色などではなく歳月を重ねた自分自身を辿る風景だと気付いた。
― あとがきより抜粋
本書は、出雲の山の中で、旅行者が寄り付かない場所を旅しながら、土着の生活を続ける人々を探し歩いた、中国地方、宍道駅から備後落合までの旅の記録である。隠れた場所に存在する山や川、また村へと続く細道が丁寧に切り取られ、編み込まれた本書にはまた、この旅を通した成合自身の変化も映り込んでいるだろう。
- 判型
- 257× 238 mm
- 頁数
- 96ページ 収録作品93点
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2015
- エディション
- 330