線を引く
熊野、那智の道のない原生林で私が撮影すること自体を撮影した写真群です。
2010年と2011年に撮影した写真をまとめています。基本的にシャッターに接続したひもを引っ張ることで撮影できるカメラを使っていて、カメラの視線の先の森に私がひもを携えて入っていってカメラが見えなくなったあたりでひもを引っ張って撮影しています。
私が見える写真もあれば、私が見えなくなってひもだけが森の中空を漂う写真もあり、森の写真でもセルフポートレイトでもない一人の人間が森で写真を撮る経験の記録になれば良いと思っていました。
ひもは写真の平面上で線になるのです。木々の枝も光の陰影によって線になったりならなかったり、私の歩んだ軌跡と交わったり交わらなかったりして・・ずうっとみていると私が森の奥にいるのかこちらにいるのかわからなくなるときがあります。
ー山本渉
- 判型
- 303 x 231mm
- 頁数
- 48頁
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2012
- 限定500部
- 言語
- 日本語、英語