畠山直哉
Naoya HATAKEYAMA
畠山直哉(1958年生まれ)は、世界の至る場所が人の影響から逃れられないこの時代に、風景が持つ意味を探る写真家である。畠山はアルプスの険しい山頂のような手付かずな美しさが残る風景でさえ、人間が利用し、そして理想化した自然として人間が解釈することでその姿は変わってしまったとし、これを今日の世界が持つ状況として認識することの必要性を説く。このように、畠山の作品は、自然界における人間の営みを受け入れる姿勢を具象化したものだと言える。
畠山は北日本に生まれ、筑波大学で芸術を学んだ。彼は故郷に広がる田園風景と、そこに連なる山々の持つ自然美に魅了され続けてきた。1983年、東京での初展示となるZEIT-FOTO SALONでの展覧会で畠山が発表したのは、簡素な造りの灯台、耕された畑、舗装されたばかりの道に落とされた影といった、あまり手の加えられていない地元の空閑地に人間が残した痕跡を撮影したモノクロ写真群であった。翌年、東京に移住した畠山は、作品の中で田舎と都会との関係性を積極的に問うようになる。また、このころから取り組むようになったカラー写真は、今日に至っても撮り続けている。
年表
1981 - 筑波大学芸術専門学群総合造形コース卒業
1984 - 筑波大学大学院芸術研究科修士課程デザイン専攻修了
出版物
2013 -『BLAST』小学館(東京)
2012 -『気仙川』河出書房新社(東京)
2011 -『Terrils』ライト・モチーフ / タカ・イシイギャラリー(リール/東京)
2011 -『Ciel Tombé』スーパーラボ(神奈川)
2010 -『話す写真 見えないものに向かって』小学館(東京)
2006 -『A BIRD』タカ・イシイギャラリー(東京)
2007 -『畠山直哉 HATAKEYAMA NAOYA Draftman’s Pencil』神奈川県立近代美術館 鎌倉
2006 -『二つの山』(バルタサール・ブルクハルト、畠山直哉)二つの山展実行委員会(東京)
2002 -『畠山直哉』淡交社(京都)[監修:岩手県立美術館、国立国際美術館]
2001 -『UNDER CONSTRUCTION』(畠山直哉、伊東豊雄)建築資料研究社(東京)
2000 -『Underground』メディアファクトリー(東京)
1997 -『Lazur 透きとおる石』(畠山直哉、大谷芳久)ペヨトル工房(東京)
1996 -『ライム・ワークス』シナジー幾何学(東京)
1982 -『等高線』CAMERA WORKS(東京) [定期刊行物『camera works tokyo』no.9]
個展
2016 -「Underground / Water」タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー パリ
2013 -「Blast」タカ・イシイギャラリー
2012 -「Natural Stories」サンフランシスコ近代美術館
2011 -「Terrils」コールファス・ギャラリー(ゲント、ベルギー)
2011 -「Natural Stories」東京都写真美術館 / ハウス・マルセイユ写真財団(アムステルダム) 2011 -「Terrils」ルワルド鉱業歴史センター(フランス)
2011 -「Blast」草場地撮影季(北京)
2011 -「線をなぞる/山手通り」タカ・イシイギャラリー
2011 -「Scales」大和日英基金(ロンドン)
2009 -「光のマケット」タカ・イシイギャラリー京都
2009 -「Naoya Hatakeyama」アルルの出会い(アルル、フランス)
2008 -「Ciel Tombé」タカ・イシイギャラリー
2007 -「Draftsman's Pencil」(今日の作家XI: 鷲見和紀郎・畠山直哉)神奈川県立近代美術館 鎌倉
2007 -「Scales」カナダ建築研究所(モントリオール)
2007 -「A BIRD」空蓮房(東京)
2006 -「二つの山」(バルタザール・ブルクハルト、畠山直哉)東京アートミュージアム(調布)
2006 -「Zeche Westfalen I/II Ahlen」タカ・イシイギャラリー
2005 -「Tokyo, A City of Light」サンタフェ大学マリオン・センター(ニューメキシコ)
2005 -「Naoya Hatakeyama」クンストハレ・ザンクト・アネン(リューベック、ドイツ)
2004 -「Atmos」L.A.ギャラリー
2004 -「Naoya Hatakeyama」C/O Berlin(ベルリン)
2004 -「Atmos」大阪成蹊大学芸術学部 space B(京都)
2003 -「Naoya Hatakeyama」アルル国際写真の出会い(アルル,フランス)
2003 -「Naoya Hatakeyama」BBK財団(ビルバオ,スペイン)
2003 -「Atmos」タカ・イシイギャラリー
2002 -「Slow Glass」ノーザン・ギャラリー(サンダーランド)/ウィンチェスター・ギャラリー(ウ
ィンチェスター)/インプレッションズ・ギャラリー(ヨーク)/ディック・インスティチュート (キルマーノック、グラスゴー)ほかイギリス各地を巡回
2002 -「Naoya Hatakeyama」ハノーヴァー美術協会(ドイツ)/クンストハレ・ニュルンベルク (ドイツ)/ハウス・マルセイユ写真財団(アムステルダム)
2002 -「畠山直哉写真展」岩手県立美術館(盛岡)/国立国際美術館(大阪)
2002 -「Slow Glass」L.A.ギャラリー
2002 -「Slow Glass」タカ・イシイギャラリー(東京)
2001 -「UNDER CONSTRUCTION」(畠山直哉, 伊東豊雄) AAスクール(ロンドン) /コロンビア大学建築ギャラリー(ニューヨーク)
2000 -「Lime Works」コロンビア大学建築ギャラリー 「Underground」L.A.ギャラリー
1999 -「Underground」中京大学アートギャラリーC・スクエア(名古屋)
1999 -「Underground」ハヤカワ マサタカ ギャラリー(東京)
1998 -「畠山直哉」結城市民文化センター(茨城)
1998 -「BLAST」ギャラリーNWハウス(東京)
1998 -「Naoya Hatakeyama」L.A.ギャラリー(フランクフルト)
1997 -「Lime Woks」ミノルタフォトスペース(新宿, 大阪ほか) 1996 「都市のマケット」ギャラリーNWハウス
1997 -「Lime Woks」ローマ日本文化会館 / ディアゴナーレ・マルチメディア・センター(ローマ) 1994 -「Lime Woks」ギャラリーNWハウス
1994 -「The City and its Origin」フォックス・トルボット博物館(レイコック,イギリス)
1991 -「Lime Works」フォト・インターフォーム(大阪)
1990 -「A travers la Tunisie」アラブ世界研究所(パリ)
1989 -「等高線」エルーヴィル劇場(カン)、アルトテック・ドゥ・ナント 、ファレーズ市立図書館
巡回(フランス)
1988 -「Lime Hills」ツァイト・フォト・サロン(東京) 1987
1988 - 「Lime Hills」フォト・インターフォーム
1986 -「畠山直哉」東京造形大学
1983 -「等高線」ツァイト・フォト・サロン
グループ展
「写真の<原点>再考-ヘンリー・F・トルボット『自然の鉛筆』から」京都国立近代美術館
「椿会展『初心』2016」資生堂ギャラリー(東京)
「風景のかたち-前田真三と現代日本の風景写真」足利市立美術館
「Japanese Photography from Postwar to Now」サンフランシスコ近代美術館
2015
「椿会展『初心』2015」資生堂ギャラリー(東京)
「The Marseillaise / fifteen years of collecting」ハウス・マルセイユ写真財団 (アムステルダム)
「In the Wake- Japanese Photographers Respond to 3/11」ボストン美術館
2014
「Traces of Disappearance」エスパス ルイ・ヴィトン東京
「椿会展『初心』2014」資生堂ギャラリー(東京)
「WARAKOH think and feel 東北vol.2 変わったもの、変わらずにあるもの」藁工ミュージアム(高知)
「The Marseillaise / fifteen years of collecting」ハウス・マルセイユ写真財団(アムス
テルダム) 「これからの写真」愛知県美術館
2013
「『ここに、建築は、可能か』第 13 回ヴェニス・ビエンナーレ国際建築展 日本館帰国展」 TOTO ギャラリー間(東京)
「つくることが生きること-東日本大震災復興支援展」デザイン・クリエイティブセンター神 戸(KIITO) / アーツ千代田3331(東京)
「椿会展『初心』2013」資生堂ギャラリー(東京)
「高橋コレクション展 マインドフルネス!」鹿児島県霧島アートの森 / 札幌芸術の森美術館
「堂島リバービエンナーレ 2013『Little Water』」堂島リバーフォーラム、大阪
「ラスト・シーン」中京大学アートギャラリー C.Square、愛知
2012
「東北 – 風土・人・くらし」中華世紀壇世界美術館(北京)他、2017 年まで世界巡回
「3.11とアーティスト | 進行形の記録」水戸芸術館現代美術ギャラリー
「ここに、建築は、可能か」(藤本壮介・乾久美子・平田晃久・畠山直哉)第 13 回ヴェニス・ビエンナーレ国際建築展、日本館
「コレクションの誘惑II『自由な泳ぎ手 – 現代写真の世界』」国立国際美術館
2011
「真実、嘘、想像-台日現代写真展」Yi&C.現代アート(台北)
「所蔵作品展『近代日本の美術』+ 緊急企画『特集 東北を思う』」東京国立近代美術館
「来るべき未来への追憶」旧プラグ・イン(バーゼル)
2010
「断絶と連続」ヒューストン美術館
「地平線のない風景」シュロス・モイランド美術館(ベドブルグ・ハウ、ドイツ)
「ビヨンド・メディエイションズ」ポズナン・ビエンナーレ(ポーランド)
「陰影礼賛」国立新美術館(東京)
「中国現代美術との出会い-日中当代芸術にみる 21 世紀的未来」栃木県立美術館
受賞
2000 - 第16回東川賞国内作家賞受賞
2001 - 第42回毎日芸術賞受賞
2001 - 第49回ヴェニス・ビエンナーレ日本館参加
2003 - 日本写真協会年度賞受賞
2012 - 芸術選奨文部科学大臣賞受賞
2012 - 第13回ヴェニス・ビエンナーレ国際建築展日本館参加(金獅子賞受賞)
収蔵
イェール大学美術ギャラリー(ニューヘイヴン、アメリカ)
ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館 (ロンドン)
ガイエゴ現代美術センター (スペイン)
カナダ建築センター(モントリオール)
国際写真センター(ニューヨーク)
ゲッティ美術館(ロサンゼルス)
国立造形芸術センター(CNAP)/国立現代美術基金(FRAC)(フランス)
サンフランシスコ近代美術館(アメリカ)
スイス写真財団 (ヴィンタートゥーア)
ゾロトゥルン美術館 (スイス)
テート・ギャラリー(ロンドン)
デ・ポン現代美術財団 (オランダ)
ハウス・マルセイユ写真財団 (アムステルダム)
ヒューストン美術館 (テキサス)
プリンストン大学美術ギャラリー(ニュージャージー)
ミネアポリス美術館(ミネソタ)
ミルウォーキー美術館(ウィスコンシン)
モデナ市市民ギャラリー (イタリア)
ヨーロッパ写真館 (パリ)
ローブ・アートセンター(ニューヨーク)
神奈川県立近代美術館
川崎市市民ミュージアム
国際交流基金
国立国際美術館
せんだいメディアテーク
東京国立近代美術館
東京都写真美術館
東川町(北海道)
北海道立釧路芸術館
水戸芸術館現代美術センター(所管)
山口県立美術館