WERK Magazine No. 29
森⼭⼤道とウィン・シャの写真作品の再編集
『WERK Magazine No.29』は⾹港のクリエイティブスペース“THE SHOPHOUSE”と組んでお届けします。本誌では、アーティストのイメージを再構築するヨシロットンのアート世界をフィーチャーしています。ヨシロットンのソロ作品、⾹港の写真家ウィン・シャとのコラボレーション作品、そして⽇本の写真家、森⼭⼤道の「ニュー新宿」シリーズの再構築で構成されています。ブックデザインにおける即興性。そのモチベーションはヨシロットンがアーティストイメージの再構築を産業的および⼿作業的具現法の組み合わせで表現することにあります。素材と制作過程は⼯業的と⾔えます。強烈なインキングやセットオフ、取り消し線は視覚的な表現として多様に活⽤されています。
<THE SHOPHOUSEについて>
THE SHOPHOUSEは、商業と住居の機能を併せ持つ建物で、⾹港や中国南部、東南アジアでは「トンロー」と呼ばれ、19世紀後半から1960年代にかけて流⾏した⻑屋の⼀種。THE SHOPHOUSEは情緒ある大坑地区にある新しい展⽰・交流スペースで、⽇々に歓びや愉しみ、学びを望む⼈への場所です。第⼆次世界⼤戦前に建てられた第3級歴史建造物の「トンロー」は、上海漆喰の外壁、鉄製の窓装飾、テラゾーの床仕上げなど、⾹港の建築遺産を思わせるオリジナルのデザインを復元し、合計約350平⽅メートルのギャラリースペースを提供しています。THE SHOPHOUSEは地元製造者やクリエイティブに携わる⼈々とのコラボレーションによって進化する空間。第⼆次世界⼤戦前の建物を5階建てのキュレーションハブとして再活⽤し、社会的、⽂化的、特異的イベントを起こす事で⽇常に必要なものを再考しながら多様性の融和したライフスタイルを提案しています。
<ヨシロットン>
ヨシロットン(1983年⽣まれ)は、東京を拠点にグラフィック、映像、⽴体作品、インスタレーションや⾳楽など幅広い分野で活躍するグラフィックアーティストおよびアートディレクターです。アーティストとしての活動のみならず、国内外のミュージシャンのアートワーク、ファッションブランドのグラフィック、広告ビジュアル、商業空間デザインなど、多彩なクライアントのアートディレクター、マルチデザイナーとしても知られており、ベルリン、広州、ロンドン、ニューヨーク、東京を中⼼にグローバルにショーを開催しています。2018年には彼史上最⼤規模な作品展となった「FUTURE NATURE.」を東京・TOLOT/heuristic SHINONOMEで開催し1,300平⽶の空間を使った巨⼤インスタレーション作品や3D作品、動画、グラフィック作品などの展⽰を⾏いました。2020年には東京のギャラリストである南塚真史がキュレーションを⾏いニューヨークとロサンゼルスのJeffrey Deitchで⾏われたグループ展「Tokyo Pop Underground」に、2021年には広州のHE ART MUSEUMで開催された「SHINJUKU RESOLUTION/WAVE/RGB」、また東京のパルコミュージアムで開催された「Micky Mouse Now and Future」にも参加しました。
<本誌デザイナーのテセウス・チャン>
テセウス・チャン(1961年⽣まれ)は、視覚芸術、素材、印刷、加⼯技術を扱うシンガポール出⾝のアーティストおよびグラフィックデザイナーです。彼の作品には最安価素材、時には廃棄素材から最も⾼価で豪華な素材が使⽤され、あらゆる紙やダンボールまでをも含みます。それらの素材をオフセット印刷、スクリーン印刷、リトグラフやアクリルインクジェットなど独創的な印刷⽅法で組み合わせていくスタイルをとっています。そういった制作⼿法をとる彼の⼀貫した姿勢は “不可能な素材はない、不可能な技法はない” という本人の言葉で表されています。2000年から発⾏している『WERK magazine』は、意欲的な出版物として国際的に⾼い評価を受けています。2006年には第1回President's Design Award SingaporeでDesigner of the Yearを受賞し、2012 年にはシンガポール⼈アーティストとして唯⼀、Ginza Graphic Galleryに招かれ個展開催を実現しています。アートブック出版社のSteidl社創設者兼アーティストのゲルハルト・シュタイデル(ドイツ)、コム・デ・ギャルソンのデザイナー・川久保玲(⽇本)、サイケデリックビジュアルアーティストの⽥名網敬⼀(⽇本)などともコラボレーションの経験があり、テセウスは2020年東京オリンピックのIconic Artist ポスター制作に⽇本以外のアジアアーティストで唯⼀招待を受けています。
― 出版社説明文より
- 判型
- 315 × 272 mm
- 頁数
- 160頁
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2022
- 言語
- 英語
- エディション
- 500