今時唔同往日喇
ある日、アンティーク雑貨屋で1972年に香港からイギリスに送られたハガキを見つけた。表は1970年代のネイザンロードのストリートスナップで、賑やかなネオンサインが夜を照らしていた。裏はおそらく書いた本人の香港で過ごした時間についての文章だった。
2021年、このハガキが配達されてから49年。この49年間で香港は徐々に変化してきた。香港とイギリスの関係は徐々に曖昧になり、ハガキの受け取り人と送り主の関係も焦点が定まらなくなり、香港は徐々になじみのない別の香港になっていく。そしてハガキに写っているネオンサインも徐々に消えていっている。
ウォン・カーウァイの映画『天使の涙』にも登場したネオンサインは、1990年代の夜の香港の魅力であり、外国人にとっては香港の目印と言えるだろう。私は過去のネオンサインの光景に憧れ、過ぎ去った青春時代に酔いしれている。時代は過ぎ、ネオンライトを失い、星もまだ見えない。時代の波に呑み込まれ、星空もネオンライトもなくなっても時は常に流れている。「今はもう過去とは違う」と私はため息をつくことしかできない。
― 譚昌恒
- 判型
- 220 × 310 mm
- 頁数
- 64頁
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2021
- 言語
- 英語、中国語
- エディション
- 300