The World From The Summit of Mount Everest
誰かの家に掛かっている「エベレストの頂上の写真」のように、私たちにとって愛のイメージは陳腐さと神秘さを同時に持つ。愛とは己が好きな山の写真を掛けて眺めるような関係と似た構造に思う。「エベレスト」という実体には到達できずとも、「イメージ」だけは欲望する。私たちが愛に向かう関係もまた、これに似ている。
_ アン・オクヒョン
アン・オクヒョンは写真と映像作品を通して陳腐で不条理な人間の意識の表層を見せる作業を、オ・ヨンソクは主にペインティングとテキストを通して意識の裏面に隠された欲望と衝動を見せる作業を続ける韓国のアーティスト。そんな彼らがコラボレーションし、写真(アン・オクヒョン)とテキスト(オ・ヨンソク)の作品集がうまれた。二人の作家は到達できずにして絶えず切望する欲望の対象を「エベレストの頂上から見た世界」に比喩し、各自の通俗的イメージになった「愛」を表現する。写真とテキストのコラボからなるこの本は、きまり悪く男女が抱き合う姿や片方の乳房を露にさせた女性の堂々な姿を通して、また短編というよりコントに近いショート・テキスト3編を通して、純粋さと崇高さをなくした私たちの姿を見せつける。
― 出版社説明文より
- 判型
- 300 x 210 mm
- 頁数
- 24頁
- 製本
- リーフレット
- 発行日
- 2016
- エディション
- 500
- ISBN
- 979-11-85374-11-6