Skinningrove
クリス・キリップは、最も影響力のある英国人写真家の一人として広く知られている。本書『Skinningrove』は、キリップが2020年に他界する前に手掛けた最後の出版物である。写真集への情熱で知られる彼は、多くの未公開写真を掲載した本書のすべての要素を担当した。
1946年にマン島で生まれた彼は、商業写真家としてキャリアをスタートさせた後、1960年代後半に自身の作品づくりへと転向した。彼の写真集『In Flagrante』は、1970年代から1980年代初頭にかけてイングランド北東部で撮影されたもので、現在ではドキュメンタリー写真の画期的な作品として認知されている。
Skinningrove(スキニングローブ)村はイングランド北東部の海岸沿いにあり、急峻な谷間に隠れ、幹線道路から逸れて北海に面している。キリップが1982年から1984年にかけて、この村の独立心旺盛な労働者階級のコミュニティを撮影した写真は、おそらくキリップの最も親密な作品であろう。
「多くの結びつきの強い漁師町がそうであるように、見知らぬ人、特にカメラを持った人には敵意をむき出しにする。スキニングローブでは“Now Then”が標準的な挨拶で、通常の“Hello”の代わりに挑戦的な挨拶をする。この場所には明確なエッジがあり、このよそ者が許容されるには時間がかかった。私を受け入れてくれた最大の味方は、若い漁師たちの中で最も積極的なレソ(レスリー・ホリデイ)だった。レソと私は、私がそこで何をしているのかについて話したことはなかったが、誰かが私の存在に疑問を投げかけると、彼は仲裁に入り、“彼は大丈夫だ”と保証してくれた。この単純なお墨付きだけで十分だった。」
― クリス・キリップ
― 出版社説明文より
- 判型
- 300 × 220 mm
- 頁数
- 104頁
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 2024
- 言語
- 英語