shashasha 写々者

ファン・ホーは、その華麗なシルエットと崇高な芸術作品を私たちに残してくれました。
私たちはそこから、世界の温かさ、優しさ、美しさ、シンプルさ、純粋さを改めて感じることができます。
― ジョン・ウー（映画監督）

『Portrait of Hong Kong』は、ファン・ホー自身のアーカイブである古いオリジナルネガから得られた、これまで見たことのないイメージをまとめたものです。

イメージの流れは、香港島の西から東へ、ボートピープルから建設と近代化を経て、港を渡って九龍側へ、最後は新界と香港の静かな海へと、ゆるやかに旅をしているような気分にさせてくれます。

この新しい作品群の選択は、これまでのファン・ホーの高度に様式化されたストリート写真のアプローチに比べて、より自然でドキュメンタリーに近いと感じられます。彼が28歳のときに書いたマニフェスト「Thoughts on Street Photography」の中で、彼は次のように述べており、この本の中でも注意深く引用されています。「私のリアルなストリート写真はほとんど選ばれていません。絵的な美しさやユーモアのあるイメージがサロン写真の鍵であることは変わりませんが、近いうちに変化が起こることを期待しています。それまでの間、私はただ挑戦し続けます。」

2015年、ファン・ホーの最後の夢が実現し始めました。ファン・ホーは、自身のコレクションから約500枚の古いネガを選び、それを自分の特徴的なスタイルでトリミングしました。彼が亡くなるという非常に残念な出来事の後、彼の家族とサラ・グリーンの協力を得て、プロジェクトが完成するまでにさらに1年を要しました。

この写真集は、映画監督のジョン・ウーがファン・ホーとの出会いを綴った感動的な序文で始まります。また、ジョセフ・ファン教授によるエッセイも掲載されています。サラ・グリーンは、ファン・ホーの多彩な人生を、アーティストとの何度もの会話や録音をもとに、伝記的なノートにまとめています。

これはファン・ホーの最後のディレクターズカットです。この旅が、私たちに古き良き時代の香港の思い出をもたらしてくれますように。