寺山修司・幻想写真館 犬神家の人々 【愛蔵復刻版】
写真家・寺山修司が表現する虚構の世界。
40年の時を経て、伝説の作品集が愛蔵復刻版として復刊!
「写真とは『真を写す』のではなく『偽をつくる』のだ」
詩人、歌人、劇作家、映画監督、小説家、評論家、作詞家、競馬エッセイスト…。
昭和の時代を華々しく駆け巡り、様々な分野でその才能を発揮した寺山修司が、実は写真家としても活躍をしていたことをご存知でしょうか?
1973年、それまで森山大道、立木義浩、篠山紀信、沢渡朔、鋤田正義、須田一政らと写真や映画のコラボレーションを続けていた寺山修司は、突然カメラマンになろうと決意し、「アラーキー」こと荒木経惟に弟子入りをしました。
寺山修司が表現する写真は、日常の中から真実を切り取る作業ではなく、限りなく嘘の世界を創り込むことで生まれます。
例えば、外国の古道具屋で売られていた古い絵葉書に自分で撮った写真をハガキ大の印画紙に焼き付けて退色させ、不思議な手紙文や世界中から集めてきた切手を貼り、よごれやシミまでもシルクスクリーンで印刷。特注のスタンプを押し、偽絵葉書を作成するなどを試みました(下記のイメージ画像参照)。
これら写真表現の成果として、1974年にギャルリーワタリ(現:ワタリウム)で、初の写真展「寺山修司幻想写真館 犬神家の人々」を開催。偽絵葉書シリーズは、東京ビエンナーレにも出品されました。
今回の復刻版で底本となる『寺山修司・幻想写真館 犬神家の人々』は、1975年に読売新聞社より発表され、フランスの写真雑誌「ZOOM」にも特集記事が掲載されるなど、大きな反響を呼んだものです。その後、自身が主宰した「天井棧敷新聞」、雑誌「地下演劇」の表紙が寺山の写真作品で飾られ、「平凡パンチ」誌のグラビアページ撮影など、写真家としても旺盛に活動を進めていくことになります。
― 出版社説明文より
- 判型
- 295 × 225 × 20 mm
- 頁数
- 148頁
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 2020
- 言語
- 日本語
- ISBN
- 978-4-835455-14-3