Long Hug Town
愛着の深い東京・大田区を中心に夜の路上を彷徨いながら人間の底知れないエネルギーや感情を全身感覚で掬い取る。
場所が発散する空気とそこに生きる人々の関係を定着させ、そこへ自身の記憶や経験も共振させる。
ストリートを生活の場とするような老若男女が一つの巨大な生命体のように活写される水島貴大の写真には、少年時代から放浪を繰り返し、未来への準備など無く、吹きっさらしの存在だけが許されていた頃の自分の思い出も滑り込む。
「スナップショットには多くのものが蠢いているのが見える。溺れる男が目にするように、人生のすべてが数秒の中に見えているように思える」(ウィリアム・クライン)
スナップショットは人生の縮図である。
そこには過去に起こった出来事やかつて会った人々や生きられた場所の記憶が、現在に生きる孤独な人々の心に何重にも上書きされてゆく。
― 伊藤 俊治 (美術史 / 東京藝術大学先端芸術表現科 教授)
― 出版社説明文より
- 判型
- 128 x 182 mm
- 頁数
- 176頁
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2018
- 言語
- 日本語、英語
- ISBN
- 978-4-908851-03-2