海辺のカノン

海辺のカノン

鵜川真由子

出版社:Case Publishing

海からの授かり物を頂き、それらが形を変えてまた海へと帰って行く。
繰り返すサイクルの中で私たちは生かされているのだ。
それはまるで、海が奏でるカノン(追復曲/輪唱)のようだ。
― 鵜川真由子(本書より)

生命の源としての海。ポートレート、スナップ写真、浜辺に打ち上げられたオブジェの写真のなかに、鵜川真由子は自然の循環性を描き出し、世界の広大さを示唆している。

コロナ禍を機に神奈川県茅ヶ崎市に移り住み、現在海から徒歩数分の場所で暮らす鵜川。「私はそれなりに都会で生まれ育ったため、生活の中に大自然が存在すること自体が新鮮であり、驚きの連続でもありました」と述べる彼女は、2021年から海へと通いはじめ、目の前で起こっていることを4つのトピックに分けて撮影をしてきた。2023年、浜辺の漂着物を撮ったシリーズ「Portraits」を発表。続く本作「海辺のカノン」では、空と海と、自然に寄り添われて生きる人々の暮らしを3部構成で描いている。

「きっかけは浜辺で見つけたカセットテープでした。砂まみれのその姿からは、おそらく長い年月海の中を漂い続けていたことが伺えます。いつ、どこから来たのかも分からないけれど、誰かの思い出ごと私の元へと辿り着いたのです。このとき、時間の概念が厚い層になっているように感じました。海の上に広がる空には、昼の終わりと夜の始まりが同時に存在しています。そして今よりずっと以前から繰り返されてきた人の営みは、寄せては返す波のように幾重にもなり、自然の大きなサイクルの中で巡っていくのです」
― 鵜川真由子

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判型
247 × 168 mm
頁数
120頁
製本
ハードカバー
発行年
2024
言語
英語、日本語
ISBN
978-4-908526-57-2

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