中国の旅(復刻版)
木村伊兵衛生誕120年の今年、遺作『中国の旅』復刻版を発行。
1974年の死後二ヶ月後に発売された最後の写真集。47年の時を経て再び。
土門拳と並び日本写真史の二代巨匠の一人とされる木村伊兵衛。亡くなった二ヶ月後に発売されたその遺作は、中国を撮影した写真集でした。
日本撮影家協会の初代会⻑だった木村伊兵衛は、1956年に川端康成、谷崎潤一郎、梅原龍三郎などとともに日中文化交流協会を設立。以来、日中友好に尽力し、訪中撮影団の代表として1963年、1964年、1965年、1971年、1973年の計5回中国を訪れ、北京、上海、蘇州、杭州、広州、⻑沙、⻄安、延安、洛陽などで撮影しています。
毛沢東時代にあたるこの時期の写真というと、文化大革命における階級闘争の様子など暴力的な記録写真をよく目にしますが、同じ時期に人々が普通に生活する日々を捉えた木村伊兵衛の写真は、自然で無作為なもう一つの中国の姿をリアルに写し出しています。同時に「ライカの神様」「日本のブレッソン」などと称され、晩年まで変わることのなかった木村伊兵衛ならではの作風を、じっくり鑑賞できる内容にもなっています。
復刻版の監修を担当していただいたのは、木村伊兵衛の弟子としても知られ、写真家で初めて文化勲章を受賞した田沼武能氏。また原版のデザインを手がけたグラフィックデザインの巨匠・原弘による表紙の力強いフォントは、そのまま生かす装丁としました。
― 出版社説明文より
- 判型
- 250 × 240 mm
- 頁数
- 236頁
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 2021
- 言語
- 日本語、中国語
- ISBN
- 978-4-909787-04-0