家の風
幼い頃から長い休みのたびに訪れた祖父母の家。成長するにつれ徐々に足が遠のいていき、気がつけば祖母が亡くなり、2010年に祖父が亡くなった。何度も訪れ自分のルーツでもある土地、でも何も知らないことに気がついて、確かめるようにレンズを向けていた。風土と家族、静かで尊い記憶。
2010年〜2021年に鹿児島で撮影。
『「家の風」は鹿児島に住んでいた祖父が亡くなった2010年から2021年のあいだに撮影したものです。法事等で往還することが多くなり、その中で祖父の生きてきた鹿児島のことを何も知らず、見ていなかったということに思い至り撮影を続けてきました。(中略) 川の流れが絶えないように、日々はもとのままではあらず、生物には循環があり、この11年で私は骨を拾い赤子を抱くことができました。空き家の窓を開けて入れた暖かい風が、いまも南の方から吹いてきそうなそんな気がしています。』
― 牛垣嶺写真展「家の風」のテキストより
- 判型
- 228 × 270 mm
- 頁数
- 96頁、掲載作品93点
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 2021
- エディション
- 400