Concrete Abstraction
最近、自分の写真について質問される機会が増えてきた。
なぜ「風景」なのかという根源的な問いには、先ずは野外で仕事をすること、あるいは旅行そのものへの興味、そして誰にも邪魔されずゆっくりと仕事ができる最適の場所だから、というようなのんきな答えしか浮かんでこない。
ではなぜ「インフラストラクチャー」なのか、という本質的な質問にも、それがどこにでもあり、いつでも向かい合う事ことができて、一方的な解釈が可能な寡黙な対象だから、などとつい言ってしまう。
「写真」を始めた頃は、真剣に考えたはずだ。
自分の作品のオリジナリティーについて、(人の営みを表現するための)なるべく間接的な表現、自分の住む国のことについて、など。ふと想いをめぐらすと、そんな30年以上の前の自分は、いまだすぐ背後にいる。
-作者あとがきより抜粋
- 判型
- 223 × 284 mm
- 頁数
- 112頁、掲載写真88点
- 製本
- ハードカバー/ケース入り
- 発行年
- 2015
- エディション
- 600