binran
アジアの夜。
光に溶けず、闇に染まらず、したたかに生きる女たち。
台湾の街道筋に立ち並ぶ、電飾を施したガラスの箱の中で、今夜もビンランを売る女性たち。
その生の輝きが、見る者の現実を超えた存在感で迫る。
見ているうちに目が眩み、感覚が麻痺していく、この写真集はまるでビンランそのもののよう。
ビンラン(檳榔):
ヤシ科の植物で、種子には覚醒作用があり、アジア各地の庶民のあいだで親しまれている。台湾では先住民族の嗜好品だったが、やがて漢民族にも広まっていった。
噛むと口中が真っ赤な唾液で満たされる。吐き出された唾液の痕は、その鮮血のような色と花びらのような形から、ティーユーフォア(地獄花)と呼ばれるという。
- 判型
- 306 x 218 mm
- 頁数
- 92頁
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 2008