shashasha 写々者

今回、この本にまとめた写真は、ポスト9・11期の2001-2008年にニューヨークで撮った写真である。あの事件以降、僕はいろいろな事に懐疑的になっていた。特にコマーシャリズムの偽善的な性質には、本当に嫌気がさしていて、写真の方ではそれと完全に決別したところだった。でも生活していく中で、常に自分の周りにはコマーシャリズムが溢れていて、不必要に人間の欲望を煽っていた。それを恨めしく思いながらも何処にも行けない。そんな八方塞がりのストレスの中で、いつしか自分を、あの日に舞い散った焼灰だと思うことで、活路を見いだしていったような気がする。