Radiation Buscape
2011年3月11日、東日本大震災は福島第一原子力発電所事故を引き起こした。それから5年目にあたる2016年、石田省三郎は国道6号線を走るバスの車窓から、放射能の影響を受けた区域を撮影した。
放射線自体は目には見えず写真にも写らない。しかし、ここに写っている風景には放射能の影響がどこかに現れているはずである。バスから見る光景は後方へと流れ去っていく。しかし、その光景を写真にしたとき、そこには何が見えてくるのだろうか。
石田省三郎は弁護士でもあり、ある裁判が震災後の福島を訪れるきっかけだった。京都造形芸術大学で写真を学んだ石田は、その後、「作品」としてこれらの写真を撮影している。バスのなかで撮影された写真は、やがて写真集という乗り物にのって、2016年のこの地域の姿を未来へと送り届けるだろう。
デザインは鈴木一誌+山川昌悟。タカザワケンジ(写真評論家)による解説「見えないもののなかをバスは走る」を収録。
──出版社説明文より
- 判型
- 210 × 297 mm
- 頁数
- 94頁
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 2018
- エディション
- 600
- ISBN
- 978-4-908647-10-9