Bardo Hong Kong 2019
『Bardo Hong Kong 2019』は、香港生まれの写真家・黃勤帶(ウォン・カンタイ)の写真集。2019年に香港で起きた逃亡犯条例改正案に反対する大規模な社会運動の際に撮影したモノクロ写真を収録している。この運動は、かつてのイギリスの植民地であった香港で、かつてないほど多くの人と時間を巻き込んだ。黄は撮影から2年後の今年フィルムを現像し、本書を出版した。
黃勤帶は、1957年香港の離島であるランタオ島に生まれ、70年代にフォトジャーナリズムの分野でキャリアをスタートさせた。80年代初頭に東京工芸大学で写真を学び、現在はフリーランスの写真家として活動している。
「2019年6月、私はまだ秋田の自宅にいた。毎日、日本海側にある地元の杉材で作られた図書館に通い、怠惰のために先延ばしにしてきた日本の写真家に関する本の執筆に取り組んでいた。
200万人の香港人が中国の逃亡犯条例改正案に反対するために街頭に立っていたことを、全てテレビで見ていた。テレビ各局のゴシップ番組でも、専門家を招いて、香港で起きた事件の原因、歴史的な過去と現在を真剣に分析していた。
6月28日、日本の主要な新聞に香港のデモ参加者の広告が掲載される。周囲の田んぼでは田植えが終わり、バラがまだ咲いていた。
香港のランタオ島に帰ってきたのは7月中旬だった。」
― 黃勤帶
- 判型
- 270 × 210 mm
- 頁数
- 240頁、掲載作品157点
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2021
- エディション
- 500