仏像巡礼

仏像巡礼

土門拳

出版社:青艸堂

巻末にポストカード付き

⽊村伊兵衛と並び戦後の⽇本写真の黎明期を築いた巨匠・⼟⾨拳。1935年から脳⾎栓で倒れる1979年までの44年の作家活動において、もっともよく知られるのがライフワークでもあった『古寺巡礼』。⽇本全国の古寺を訪れ、その⾵景、建築、仏像を1940年代から70年代にかけて30年以上に渡って撮り続けた全五集からなる作品集で、特に正⾯だけでなく横からあるいは後ろから、さまざまな表情を撮影した仏像の写真が圧巻です。本作は、その名作『古寺巡礼』やその他の古寺の写真集の中から、仏像だけに焦点を絞り新たなセレクションで制作した⼀冊となります。収録されているのは室⽣寺、法隆寺、唐招提寺、薬師寺、東⼤寺、広隆寺、東寺、三⼗三間堂、平等院など26の寺院の国宝の仏像44体、重要⽂化財の仏像19体、全162点の写真。秘仏とされる⾮公開の仏像や、特別な時にしか公開されない仏像も多く、顔、⼿、⾜、蓮華座といった細部の接写など、今ではおそらく撮ることができない迫⼒の構図に圧倒されます。また同時に、千年余りに渡って数多の⼈々から拝まれて続けてきた仏像と、数度の脳出⾎で半⾝不随になりながらも撮影を続けたという稀代の写真家による魂のぶつかり合いが、静かな熱量を持って⾒る者の⼼に迫ってきます。

写真のセレクトや⾊校正など関しては、⼟⾨拳の弟⼦として『古寺巡礼』全五集の撮影に助⼿として同⾏した写真家の藤森武⽒に監修をお願いし、財団法⼈⼟⾨拳記念館の協⼒を得て⾏いました。また、本書は中国をメインマーケットに制作されており、収録されている⼟⾨拳⾃らが執筆した仏像解説や仏像に関するエッセイなどが中国語訳されるのも、中国で⼟⾨拳の写真集が発売されるのも初めてのこととなりました。

― 出版社説明文より

ぼくにとって仏像の顔を思いかえすのは、恋人の顔を思い浮かべるようなものである。ひとつひとつを頭に浮かべていれば、何時間でも退屈することがない。「土門さんは、ずい分たくさんの恋人がいるんですね。浮気性ですね」といわれても、ぼくは甘んじて受ける。ぼくの撮った全ての仏像が仏像巡拝中に出会った素敵な恋人たちである。何とも幸福なことではないか。
― 土門拳 1971年(本書巻頭文「仏像巡拝」より抜粋)

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判型
290 × 215 mm
頁数
240頁
製本
ハードカバー
発行年
2020
言語
日本語、中国語
ISBN
978-4-909787-02-6

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