トーキョー
2015年にモンドリアン財団の助成により実現したG/P Gallery招聘プロジェクトでコイカーが来日した際に東京で行われた一度きりのフォト・セッションをもとに制作されました。コイカーは東京のとあるビルで、セミヌードの日本人モデルを十数枚のカラー写真に収めました。コイカーはモデルの臀部に焦点を絞ってフォトショップ加工による実験を続け、全部で数百枚のイメージを作成。その中から106枚に絞って写真集『Tokyo』が制作されました。この写真集は、ある一つの主題に対する膨大なバリエーションの可能性という写真の性質を提示しています。そのイメージは、20世紀のアートに造詣が深い読者にとってはほとんど不可避的に構成主義やキュビズム、シュールレアリスム、抽象表現主義、ポップアート、ミニマリズムなどの芸術運動を想起させますが、『Tokyo』は絵画の画集ではありません。むしろコイカーは、写真を限界にまで拡張、イメージを極度に抽象化しながらも、クリシェとなったデジタル加工を偏執的なまでに繰り返し、究極的な自由を獲得しているのです。その飽くなき実践が、物語性や感情を排した編集により、写真集とアートブック両方の可能性を抱いた野心的な写真集としてここに結集しました。
― 出版社説明文より
- 判型
- 210 x 280 mm
- 頁数
- 236頁
- 製本
- ソフトカバー
- 発行日
- 2017
- 言語
- 英語、日本語
- 印刷
- ベルリン 1200部発行 (日本語版 300部)
- ISBN 978-9-490800-58-1