Spirit is a Bone
ロンドンを拠点に活動するアーティストデュオ、Adam Broomberg & Oliver Chanarin(アダム・ブルームバーグ & オリバー・チャナリン)の作品集。ロシアのフェミニスト・パンク・ロック集団「プッシー・ライオット」のメンバー、Yekaterina Samutsevich(エカテリーナ・サムツェビッチ)やモスクワ市民らが収められているこの一連のポートレイトは、ロシア政府がモスクワでの公安や国境警備のために開発された最新の顔認識システムによって描き出されたものである。しかし、ここで結果的に出来上がったポートレイトは容易に回転しやすく詳しく精査出来る3Dの複製された顔であり、写真というよりはデジタルライフマスクに類似している。この顔認識システムカメラにおける重要な点は、被写体の同意無しにポートレイトを撮影することを意図して設計されていることで、その構造として、4つのレンズが連動し、被写体自身が撮影されていることに気づいていなくても、表面的にカメラを見ているところからその人の正面写真を生成する。このシステムは地下鉄やスタジアム、コンサートホールなどの混雑した公共の場所での顔認識や、他には普段は写真を撮られることを拒む人々の写真を撮る為に考案された。作者は、現代ロシアにおけるこのポートレイト群を、August Sander(アウグスト・ザンダー)の重要な作品『Citizens of the Twentieth Century』に習い、一連のポートレイト配役を職種に従って分類。しかし、最新技術を駆使しているにも関わらず、これらのポートレイトは解像度がとても低い上に部分的に分解しており、つまりこのカメラはいかに正確に顔の各パーツを認識しそれを3D化出来るかに目標が設定されており、ザンダーのように個々のキャラクターを捉える機能は備えていないことの証明にもなる。
— ディストリビューター説明文より
- 判型
- 210 x 165 mm
- 頁数
- 240頁
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 2016
- 言語
- 英語