PHOTO-BOY 1988-2011 LIFE, PHOTOGRAPHY, AND HOME
写真少年1988-2011/生活と写真、そしてHome
日本人写真家、谷口昌良の作品集。本書は、作者が永年にわたって写真と向き合うなかで生まれた数々の作品を纏めた「写真少年シリーズ」写真集の第三弾であり完結編である。中高生時代に日本各地で撮った写真を、写真家・森澤ケンが焼き直し再編集した第一弾「PHOTO-BOY 1973-1979 THE BLUE PERIOD」(2009年、蒼穹舎刊)、10年間にわたってアメリカで過ごした時代を纏めた前作「PHOTO-BOY 1979-1988 MY ROSE PERIOD IN AMERICA」(2017 年、YKG PUBLISHING / KURENBOH 刊)に続く本作では、1988年の帰国後に結婚・子供の誕生といった新たな人生の転換期を迎え、東日本大震災の直前までの家族の在り様を、著者による日記と共に紡いでいる。作者は東京・蔵前の寺院に生まれ、現在住職として職務を全うする傍ら、2006年に寺院内に展示・観照の場となる「空連房」を開設。またニューヨークの School of Visual Arts にて「ニュー・カラー・フォトグラフィ」という写真表現で知られるレオ・ルビンファインに師事し、最先端の思潮とともに写真につい ての思索を追求し続けた。本書は変化の激しいエネルギッシュなアメリカでの生活から日本に戻り、寺院を拠点に仏教に従事するなかで培われた著者の意識の変化が大きく表れている。「仏教も結局は命の問題である。写真もそうだと思えば、その上に立つ作為とは欲だと言うことにもなる」と作者が語るように、写真家が常に追求する作為と無作為の関係性について、家族という営みのなかで「写真少年」である著者が新たな視点を発見するに至った過程を伝える一作。
― ディストリビューター説明文より
- 判型
- 215 × 280 mm
- 頁数
- 62頁
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2018
- エディション
- 300