shashasha 写々者

2009年から2010年の間にナショナル・ギャラリー、サンフランシスコ近代美術館、そしてメトロポリタン美術館で大規模な展覧会が行われた際に制作された本書は、Robert Frank（ロバート・フランク）の代表作「The Americans」出版から15年を記念する写真集となった。
本書は新しいアーカイブ資料に基づき、写真の制作かつ本の構造に関する長く素晴らしい探求をしており、ヴィンテージのコンタクトシートやワークプリント、そして1955・56年にアメリカ全土を旅したフランクの旅路の文字記録によって構成されている。
キュレーター兼編集者のSarah Greenough（サラ・グリーノフ）と彼女の同僚たちは、フランクの初期作品から「The Americans」のルーツを探り、またWalker Evans（ウォーカー・エヴァンス）やBill Brandt（ビル・ブラント）などの写真家の書籍からの資料も本書の中で豊富に収められた。
「The Americans」から選ばれた83枚のオリジナル写真は、当時のままのヴィンテージプリントに近い状態で収録されている。
さらに、本書の中にはフランク自身のその後「The Americans」に対する再解釈と解体の試みが収められており、彼の写真史へのめざましい参入に関する歴史そのものがまとめられている。