Kengo Kuma – Mirror in the Mirror
日本人建築家の隈研吾とギリシャ人写真家のエリエタ・アッタリは、20年以上にわたって共に仕事をしてきた。彼らの共同作品の特徴は、建築、空間、視覚認識に対する共通の美的理解である。隈の建築物もアッタリの写真も、内部空間と外部空間が融合し、溶け合う。両者とも、空間体験は束の間のものであり、一日のリズムや季節によって形作られるという考えで結ばれており、建築空間は風景の中に広がるメディアとなり、人々に空間境界の概念を問い直すよう促す。
アッタリの写真は、建築を記録するだけではない。彼女は建築と刻々と変化する環境との関係に焦点を当てている。空間と風景は、彼女の視覚言語によって再編成される。考古学と風景写真家としてキャリアをスタートさせたアッタリは、過去20年間に膨大な作品を生み出してきた。コマ・アモックによってデザインされた本書では、隈の建築的アイデアがアッタリによって解釈され、写真の翻訳という行為によって独立した芸術作品が生み出され、この特別な本/オブジェの中でその力を存分に発揮している。
建築スケッチや隈の言葉がアッタリの写真の間に挿入され、過去20年間に制作された作品への深い洞察を提供している。コロンビア大学美術史学科長で、元ニューヨーク近代美術館建築・デザイン部のキュレターのバリー・バーグドールによるエッセイとともに、本書は隈とアッタリの作品を現代建築言説の中心に位置づけている。
本書には、代表的な建築物に加え、ヨーロッパ、アメリカ、日本の小規模な未公開作品も多数収録。その中には、ガラス・ウッド(ニューカナン、アメリカ)、ウッド・パイル(クリュン、ドイツ)、水・ガラス(熱海、静岡県)、サニーヒルズ(東京、日本)、コエダハウス(静岡県)などがある。
― 出版社説明文より
- 判型
- 200 × 280 mm
- 頁数
- 268頁、掲載作品146点
- 製本
- ソフトカバー、ケース
- 発行年
- 2023
- 言語
- 英語
- ISBN
- 978-3-96070-074-6