I'll Be Late
『イメージは日記的なもので、ロンドンのブリクストンに住んでいたときの日常生活から切り取った、私の友人、私がいるであろう場所、私の道を横切る瞬間を描いている。私にとって、作品の自伝的な側面は焦点ではなく、目的を達成するための手段であり、時間を探求するためのツールなのだ』― Yoshi Kametani
『I'll Be Late』でYoshi Kametaniは、生と死、そして時間とエントロピー(無秩序な状態、混沌性)との関係における実存的な不安について考えている。この本には、身近な家庭の風景が描かれており、友人と思われる人々の中に、汚れた食器が高く積み上げられたり、ピザの皮が箱に入れられたままになっていたり、タバコが燃えて灰になっていたりするイメージが混じっている。作品全体を通して、時間は容赦なく過ぎ去り、調和は混沌に変わり、エントロピーは自然のサイクルの中であらゆるものを劣化させ、新しいものに変えていく、ということを常に、しかし微妙に思い起こさせる。
『私は自問する。なぜ今なのか? おそらくそれは、私が中年期にさしかかり、自分自身の死に対して疑問を抱いているからかもしれない。この作品は答えを求めるものではなく、ただ私たちの存在と現実の経験方法について疑問を投げかけ、私たち自身の時間に対する幻想を再構築し、疑問を投げかけているのだ』― Yoshi Kametani
Kametaniは、イメージを骨組みまで分解し、時間のかかるスクリーンプリントの工程で、4層のレイヤーを重ねて再構築する。この方法で写真をプリントすることで、作品とともに生き、作品が具現化するのを見ることができ、おそらく最も重要なことは、作者自身にとってイメージが何を意味するのかをよりよく理解することであろう。
『作品制作に費やした時間も、このテーマに対する私の考えを教えてくれた。すべての画像は、時間の経過なしにはありえなかった親密な瞬間を室内で撮影したものだ。私たちの友情と信頼は、その中で築かれた』― Yoshi Kametani
― 出版社説明文より
- 判型
- 240 × 168 mm
- 頁数
- 168頁
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2024
- エディション
- 350
- ISBN
- 978-618-5479-31-2