shashasha 写々者

この本のアイディアは、2013年にイギリスにあるインスティチュート・オブ・コンテンポラリー・アート（ICA）でのユルゲン・テラーの同名の展覧会から派生したもの。自身の展示の準備期間に、テラーはメインのギャラリーとは離れたところに位置する制限されたスペースのICA Fox Reading Roomでの写真の選定に招かれた。彼の当初のプランは、「切り抜き」、つまり彼のコマーシャル・フォトと関連のある校正で壁を覆うというものだった。プロジェクトが進行していくにつれて、テラーはやがてスペースすべてを、家族写真、雑誌に起用されたもの。彼は、近年の広告キャンペーン、ランドスケープやあらゆる個人的な取り組みなど、20年間にわたるビジュアルイメージで埋め尽くしたくなった。時を超えて従来予期しないような関係性を形作り、このように並置された一連のイメージをみることによる複合的な効果はテラーを鼓舞し、会期のあいだに彼は自身をこの本を制作することへと熱心に仕向けた。それは、よりありきたりな展覧会カタログとは一線を画しており、もとのインスタレーションの生のインパクトを鮮やかに伝えている。印象深い作品群を超えて、新しくエキサイティングな対話をひもといている。