口笛
日本人写真家、星玄人による作品集。1970年に横浜で生まれた作者は10代前半より都市での生活の暗部に心を惹きつけられていた。
現代写真研究所で学んだ後も、再びカメラを片手にまた同じ街へと戻っていた。
渡辺克巳や倉田精二といった写真家のスタイルを自然と受け継ぐように表現してきた星玄人の「ストリート」は、容赦無く生々しさを帯び、残酷なまでにごまかしがなく、まるで被写体に向けて当てたフラッシュのように激しく妥協のない作品として表れている。
ヤクザ、ホステス、女装趣味の男性や男装をする女性、極右支持者、ユース・カルチャー、薬物中毒者、身体障がい者- その風景は、観光客が決して目にすることのない景色だ。
そこに写るのは星玄人のストリートが並ぶ星玄人の街であり、そこを放浪する者へとこの物語を託している。本書のタイトル「WHISTLE(口笛)」が持つ言葉の意味は、多くの結論を観る者にもたらしている。
我々が夜の闇へと歩みを進めるにつれ、不安定な口笛のメロディーが心の鬱積から解き放つように鳴り響く。それは、他者に向けたシグナルとして記号化された「口笛」か。
それとも純粋な、はたまたおおよそ純粋な音のような、口笛そのものが持つ特徴ですらあるだろう。
― ディストリビューター説明文より
- 判型
- 279 x 356 mm
- 頁数
- 110頁
- 製本
- ハードカバー,リング製本
- 発行年
- 2017
- エディション
- 1000