shashasha 写々者

写真の意味はどこにあるのか？ 写真の作家性、観客性、民主主義の限界はどこで交差するのだろうか？ これらは、シドニーを拠点に活動する、訓練を受けていないアーティスト、ルーク・リーの写真活動の核心にある問いです。彼の最初のメジャーなアーティストブックである本書『What are you looking for?』は、ダイアリズムや即興の概念から離れ、新しい美学的・哲学的領域に踏み込んでいます。メルボルンでのかつての生活へのオープンレターのような本書は、極めて個人的なジェスチャーであると同時に、写真そのものを支える主観や仮定に対するより広い挑発を形成しています。劣化したリソグラフのプリントをスキャンして作られたこれらの生々しく直感的なイメージは、その場所に根ざしたものであると同時に、その場所から自由なものでもあります。そのダイナミックな視線は具体性へと傾きながらも、決して着地することはありません。その硬質で繊細な粒子のノイズの中で、リーのイメージは答えと同じくらい多くの疑問を残しています。

初版は「Paris Photo / Aperture 2021 Photobook Awards」のFirst Book部門にノミネート。第2版ではポスタージャケットデザインを刷新している。