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roshin booksでは7冊目の写真集として柳沢信(1936 - 2008)の写真集を出版いたします。柳沢は1958年にミノルタの広報誌「ロッコール」において「題名のない青春」という作品で華々しいデビューを飾りました。その後の1961年から2年間は病気のために療養しますが、再び精力的にカメラ雑誌を中心に活動しました。
復帰後の柳沢の視線は日本の各地へと向けられます。氏はデビュー当時から一貫して「写真に言葉はいらない」と言い続けました。被写体、撮影者の感情、それらを言葉で説明する必要もないほどに見つめられ研ぎ澄まされた世界、それがまさしく写真ではないかと。
柳沢信の生前の個展数は4回(グループ展などの出展は除く)、写真集は3冊とその活動時間の割には極めて少数であります。周囲の流行などにとらわれず、自らのペースで眼球に写る世界をフィルムに刻んでいきました。70年代初期には当時カメラ毎日の編集長で天皇とまで呼ばれていた山岸章二からの写真集の出版要請を断ったというエピソードもあります。
1990年に出版された「柳沢信・写真」から17年の月日が経ちました。既に過去の写真集は絶版となり、今ではそれらに触れる機会がありません。柳沢が写した「写真」という言葉以上他にいいようもない圧倒的な世界が再びこの時代に甦ります。60年代から70年代の旅の写真を中心に大田通貫が編集しました。作品はもちろん印刷、装丁、一つの作品として堪能してください。2017年に生まれる歴史的な1冊です。
― 出版社説明文より
- 判型
- 256 x 256 mm
- 頁数
- 96頁、掲載作品89点
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 2017
- 言語
- 日本語、英語
- エディション
- 1000