Photography? End?
写真は終わるのか?
それともここから始まるのか?
アーティスト・コレクティブとして活動してきた国内外の日本人写真アーティスト7人のインタビュー集を出版。
「Photography? End?」は、薄井一議、大島成己、オノデラユキ、北野謙、鈴木理策、似鳥水禧、濱田祐史ら国内外の日本人写真アーティスト7人によるコレクティブな活動です。キュレーターの若山満大氏をインタビュアーとして招き、彼によるインタビューを通じて、各作家がどのように写真というメディアに出会い、写真家として活動を展開してきたかを浮かび上がらせています。この本では、各作家に共通すること、あるいは相反することをそのままに交錯させながら、今日の「写真」を考える起点を提示していきます。
インスピレーション、コンセプト、アイデア、クリエーション、それらが数多の鏡で乱反射しクロスオーバーする。
7人が内包する様々な問題系は、時に交わり、時に相反する。そしてそこから生まれるさらなる問い。疑問形で経験する未来へ。
私たち7人のアーティストは、2015年以降コレクティブの活動をしています。
これまで幾つかの、海外の都市で、展示やプレゼンテーション、キュレーターや現地作家との対話や制作などをしてきました。2020年から2021年にかけて、私たちが予定していたいくつかの活動がパンデミックによって中止となりました。
作品を前に作家同士やオーディエンスと対話することが叶わない状況で、それぞれの活動を表し、相対化するアイデアが持ち上がり本を作ることにしました。
本書はキュレーターの若山満大氏にインタビュアーとして参加してもらい、若山氏が、7人が写真家だと認識している「人間としての総体を聞いていくこと」で、7人の活動がなぜ写真と呼ばれるのか?そこから写真の可能性と有限性を照らすことを試みています。
言語は英語と日本語で、どちらかと言うと英語に重心を置いた作りにしています。
これは日本のことも日本の写真のこともご存知ない、英語圏や非英語圏の読者に向けて、まっさらな地に、作品の鑑賞と知識の最初のmapを描いてもらえる本を目指しています。
そのために作家の個性的な言葉ではなく、なるべく開いた言葉で語っており、重要な語句には注釈を振っています。7人に共通のテーマや目標があるわけではありません。
ですがここには7つのヴィジョンと、7つの写真的経験が語られています。インスピレーションとコンセプト、アイデアそしてクリエイション。乱反射するたくさんの問題系。
各作家に共通することと相反することが、交錯する状態をそのまま提示することが本書の目的です。
そのことが写真について考える起点のひとつになると思っています。またパンデミック以降の世界で何をし、どこに向かうべきか、ここから考えたいと思っています。
Photography? End?のこれまで
2015年にフランス、エクサン=プロヴァンスで開催された写真展「Regards Croisés, Phot’Aix 2015 Aix-en-Provence」に出品作家として招待された鈴木理策、濱田祐史、北野謙、似鳥水禧、大島成己、薄井一議の6人が出会い、交流が始まった。2019年にオノデラユキが加わり7人となり、モロッコ、マラケシュでの写真祭「Rencontres de la Photographie de Marrakech」において「Photography? Why?」プロジェクト企画に参加した。2020年にはコロナ禍によってアート活動が制限される中、出版プロジェクトが立ち上がり、その関連イベントとしてこれまでの活動を紹介するYoutube配信イベントを若山満大と共に開催した。2021年に7人の活動プロジェクト名を「Photography? End?」と変更し、今回の出版へと至る。
― 出版社説明文より
- 判型
- 210 × 148 mm
- 頁数
- 196頁
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2022
- 言語
- 英語、日本語
- ISBN
- 978-4-600-00839-0