HANEZAWA GARDEN
スウェーデン人フォトグラファーで映像作家のAnders Edström(アンダース・エドストローム)の作品集。かつて東京・広尾にあった邸宅「羽澤ガーデン」を約9年間に渡って撮り続けた作品を収録。
「羽澤ガーデン」は、大正時代に作られた日本家屋と日本庭園を活かし、飲食・宴会施設などとして使われてきた施設だったが、2005年12月を持って閉鎖された。豪壮な大正期の近代和風の邸宅では、囲碁や将棋の名人戦の舞台になるなど、政治・経済・文化をはじめ、すそ野の広い人々とゆかりを持っていたこの文化的価値のある建築をなんとか残そうと、地元住民が開発許可の取り消しを求める行政訴訟を行ったが、建物は取り壊され、2012年に跡地に3階建てマンションが建てられた。
瑞々しい竹が生い茂る緑豊かな庭や落ち葉の積もる屋根は時と共に移り変わり、江戸時代から現在までの日本の歴史をもつ場所の証人であった羽澤ガーデンの豊かな樹木はもはや見ることができない。しかし、この本に写し出されている風景だけは未だに我々の目に都市開発で消えてしまった「土地の文脈の記憶」を映し出しているように見える。
映像作品「The Anchorage」(09') を共同制作した、C.W.Winterによるエッセイ(和訳付き)を収録したブックレット付き。
ー ディストリビューター説明文より
- 判型
- 210 x 267 mm
- 頁数
- 232頁、掲載作品224点
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 2015
- 言語
- 英語、日本語