shashasha 写々者

「......部屋には、夥しくカットされた時間が幾層もの厚みをつけ、彼女の思念とともに溶解する 事なく留まっている。萎れた植物、虫の死骸、剥がれた壁の塗装、死を含んだ小世界で身近なモノは ことごとく精神化され、彼女の肉体のみが生々しく現実味を放っている ...... 」

ー須田一政、コメントより抜粋

絵（女性）を描く事が生活の一部であった、 小学生時代。 机上に、白い紙、鉛筆、 冷たい空気の流れる、癒しの時間が，記憶に残ります。なぜか色彩に興味がなく美術の基本である“ 裸婦の木炭デッサン”を、研究所で 続けました。その後、デザイン学校で偶然　“写真” に出会い、 狂喜し、 今日に到ります。友人の女性、街の人々、下町の風景等も撮影しましたが、 最後に“ 意志を持った 形態”として“自分の肉体”を被写体にした、“セルフ・ポートレイト” にたどり着きました。　“一枚の絵画” としての鑑賞に堪える画面作りは、写真になっても変わりません。どうぞ、光が織りなす“ 絶妙な空気感、状景” をお楽しみ頂きたく思います。

ー内田京子

・第26回写真の会賞受賞作品
・「Dark Light」作品をフランス国立図書館（Bibliothèque nationale de France)が購入・収蔵 (2016年)