Nobody Books
スティーブン・ギルは2005年、自身の本の出版プロセスを最大限にコントロールするため、出版インプリント「Nobody」を設立した。彼の最も重要な意図は、写真集を単なる殻に閉じこめるのではなく、写真集の完成形として表現することである。素材の実験、友人とのコラボレーション、マケット制作への実践的で触覚的なアプローチによって、多くの場合、彼の完成した本は個性的でユニークな存在感を放つようになる。この触覚的アプローチには、リノカット印刷、レタープレス印刷、モノプリント、スプレーペイント、ゴム印などの素材や技法が含まれ、時にはアートブック全体がスティーブンのスタジオで手作業で製造・組み立てられることもある。彼は、本作りのプロセスを写真作品の制作における重要な段階と考え、その内容とコンセプトが一致した本を作ることを目指している。