京都造形芸術大学の通信教育学部で写真を学びはじめたのは映像クリエーターとして技術的に得るものがあるのではという考えからからだった。私は以前から映像制作の仕事に携わっていた。実際に新たな大学で写真学を学びはじめると、今までのものづくりとの違いに気がつくこととなった。今までの私の仕事ではクライアントに表現したいベースがあり、そのアイディアや思いをくみ取り、くみ上げいき最終形までつくりあげていくというものだった。それに対して、自身が表現者として立ったときと、何を表現したいのか常に自身に問
わなければならないことに気づいた。それは自分が何者なのかを問われているようだった。
写真を学び始めて2年目に夏に恩師である冬青社・高橋国博先生の講義を受け、作品のテーマとコンセプトについて学んだ。それ以降自分自身が写真を通して表現したいテーマと作品のコンセプトがなんであるのを深く考えることと成った。写真が作品づくりに変わり、芸術が何であるかを考え作品をつくることが自分の人生にかけがえのないものになった。写真作家としての自己表現である。「目に見えないものを見えるようにすることこそが芸術」後にバウハウスでも教鞭をとるスイスの芸術家パウル・クレーの言葉。私自身が全作品づくりを通して表現したいコンセプトもエネルギーという目に見えないものをカメラで写し出し可視化することです。

年表

1977 東京都多摩市生まれ
2004 映像テクノアカデミア 卒業
2012 京都造形藝術大学 写真コース 卒業

個展

2016 - 「Mani」ギャラリー冬青

北桂樹の書籍