1857 – 1927
フランス、ボルドー生まれ。幼い頃に両親を失い、学校を中退後、商船に乗り込むが、やがてパリに戻って役者を目指す。その後、画家を経て、40歳を過ぎてから生活のために写真を始める。亡くなるまでの約30年に、変わりゆくパリの街や建築、意匠など約8000枚におよぶ写真を撮影。その多くを市立図書館が購買。没後に公表され、都市写真の模範作品として称賛され、近代写真の父と呼ばれる。

年表

1857 フランス、南西部リブルヌに生まれる。幼い頃に両親を亡くして孤児になる。
1879 年、パリ国立演劇学校に入学するが、翌年、兵役のため中退。
1887 年頃にフランス北部ソンムに移り住む。写真を始めたのはこの頃と推測される。
1890 年初頭、パリに戻ったアジェは、アパートのドアに「芸術家のための資料」という看板を掲げて写
真を売り始めた。その中で、19 世紀に世界の首都として繁栄を極めたパリの古き良き部分が、次第に
失われてゆくのを目の当たりにし、1890 年の終わり頃から写真によるパリのコレクションを始める。 1925 年、マン・レイとそのアシスタントであったベレニス・アボット(1898-1991)と出会う。
1926 年、『シュルレアリスム革命』誌の 7 号と 8 号に、アジェの写真が掲載される。
1927 年没。
1928 年、アボットが散逸を恐れ 1787 枚の原版と 1 万枚のプリントを、ジュリアン・レヴィのサポート を受けて購入。その後、ふたりはアジェの紹介に努めた。
1964 年、アボットが写真集『The World of Atget』(Horizon Press Publishers)を出版。 1968 年、ニューヨーク近代美術館が、アボット=レヴィ・コレクションを購入。 1981-85 年、ニューヨーク近代美術館が、4 回シリーズで回顧展を開催。

ウジェーヌ・アジェの書籍