YOU MAY ATTEND A PARTY WHERE STRANGE CUSTOMS PREVAIL
YOU MAY ATTEND A PARTY WHERE STRANGE CUSTOMS PREVAIL
これは5年ほど前ロスにいたときに中華料理店のフォーチューンクッキーに入っていた言葉だ。
「あなたは奇妙な習慣が蔓延するパーティーに出席するでしょう」
占いを信じているわけでもないのだが、このフレーズだけはちょっと変なので気になって捨てられずにずっと持ち続けていた。深読みすると反米的なポリティカルな意味合いも読み取れる。(PREVAILは大統領演説でよく使われる言葉なので)
旅で撮った風景の写真、道端で拾った用途のわからない白い板、フリーマーケットで買った昔の写真。言葉と同じく、私は出会ったもの達を長い間手元においてただ見て遊ぶ。そうしているうちにどんどん飛躍して広がっていく世界、それらはすこしずつ繋がっていきあるとき急に啓示のように読み解ける。そんな妄想狂のふりをして写真やオブジェを作った。得体のしれない物事、消費されたあとの抜け殻に等しいもの達。それらをつなぎ合わせて出来た新しい世界。インスタレーションそのものがパーティーなのか、あるいは啓示(インビテーション)なのか、得体の知れないことが知れる前の状態、あるいは映画の宣伝のようなもの、その出口と入り口が今回の作品である。
― 木村友紀
現実から切り離されたイメージだけの存在、消費されたオブジェから生まれてくる無数のイメージから、自然に不思議なストーリーが現れてくる。連想ゲームのように惹きつける要素を抽出していくと、日常から離れたところに行ける、架空の時間と場所への抜け道を作ってくれる、木村友紀の作品は、その抜け道を引き寄せる「場所」なのである。
― 出版社説明文より
- 判型
- 210 x 240 mm
- 頁数
- 40頁
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2006
- テキスト
- 清水穣