野草
1980年代、一人っ子政策が厳しく実施されていた中国南部の小さな町で育ったJTは、生まれたばかりの女の子が経済的な困難のために捨てられるという悲痛な現実を目の当たりにした。2014年、旅先で出会った「取り残された子どもたち 」のたくましさと生命力に深い感銘を受ける。彼らの苦闘と不確かな未来に思いを馳せ、JTは幼い頃の記憶にある、捨てられた新生児の少女の運命に思いを馳せずにはいられなかった。
この経験をきっかけに、写真家は全国の非公式孤児院の子どもたちの生活を記録する「Wild Grass」プロジェクトに乗り出した。JTがこれらの孤児院を訪れると、資金不足、身体障害や知的障害のある子どもたちのケアに関する専門知識の欠如など、孤児院が直面する課題が明らかになった。このような障害にもかかわらず、彼は子どもたちと一緒に暮らし、彼らの日常生活を理解し、写真を通して彼らの声を伝えようとした。
― 出版社説明文より
JTは、フランス在住のドキュメンタリー写真家、アーティスト。長年、社会から疎外されたグループに焦点を当て、貧困、都市化、新たな移民、特定の民族コミュニティといった社会問題の複雑な関係を探求してきた。中国の僻地に長期滞在した際、中国の農村部の孤児の生活状況を探る初の長期ドキュメンタリー・プロジェクト「Wild Grass」を開始。このシリーズは2017年の国際写真賞で金賞を受賞した。2016年、JTは「風の呪い:ハンセン病の歴史」プロジェクトをスタートさせた。ハンセン病に罹患した村やコミュニティの生活環境、社会構造、病理学的特徴などを独自のアプローチで記録した。この作品により、2019年にBourse du Talent賞、2021年にMusée Albert-Kahn賞を受賞。
- 判型
- 260 × 185 mm
- 頁数
- 320頁
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2024
- 言語
- 英語
- エディション
- 800
- ISBN
- 978-2-9585094-2-2